ARISSスクールコンタクト in京都市立洛陽工業高等学校

京都市立洛陽工業高等学校で京都市立唐橋小学校の5,6年生21人が国際宇宙ステーションの若田宇宙飛行士と交信に成功しました。12月12日午後5時37分から約10分間の予定で、スケジュールが組まれました。実際の交信は、オペレーターの高橋さんが臨時局の8N3LRから宇宙ステーションのNA1SSを呼びだしはじめて約2分後に、「洛陽工業高校のみなさん聞こえますか?」「宇宙ステーションから若田です!よく聞こえます!」との応答があり、21人の児童が質問し、それに答える方法でスクールコンタクトが始まりました。無事21問が終了し、高橋先生からISSのトラブルについて若田光一宇宙飛行士に質問し、答えを頂き、洛陽工からのお礼のメッセージを送り、無事に交信成功しました。

同校は、2012年度から金環日食の観察や小型ロケットの製作を通じて宇宙を学ぶ「宇宙にいちばん近い高校」プロジェクトを推進され、近くの京都市立唐橋小学校とも連携し宇宙に関する学習を続けておられます。アリススクールコンタクトとは、アメリカ航空宇宙局(NASA)の教育プログラムの一つで、2012年9月に洛陽工業高等学校電子科を卒業したJM3DUR島村が情報を提供し実現する運びになりました。

コントロールオペレーターは、洛陽工業高校で教員をされているJG3GNU高橋さんです。会場には、唐橋小学校4年生の見学希望者の他、質問する小学生の保護者や先生などとアマチュア無線関係者を含め約160人が集まられる中おこなわれました。

高校生は、無線通信が円滑に行われるよう、児童の誘導やタイムキーパーなど様々な役割を担い、交信のサポートを行っていました。また、交信の前には、子どもたちの宇宙への関心がさらに広がるよう、高校で取り組んでいる「ハイブリッドロケット製作」のプレゼンテーションで、このプロジェクトを盛り上げていました。

当日、アマチュア無線関係者でご参加いただいた方々(26名)

洛陽工OB:JA3ATJ,JA3APL,JA3IVN,JH3QNH,JE3EVI,JP3HEU,JM3DUR

高槻市AMC:JA3CAW,JA3HHN,JA3QOS,JA3SGR,JH3GCN,JG3HGN,JF3BWZ

関西ARISS:JL3JRY,JA3HBF,JE3RZT,JE3DBS,JH3BUM,JG3QZN,JH4DHX/3,

JH3NYP,JA3ARJ,JK3SHX,

JARL京都クラブ:JA3UWB,JO3OOP,

 

このスクールコンタクトは、日本国内では、69例目、関西地方では、昨年8月の和歌山大学宇宙教育研究所アリスから1年3か月ぶりのことで21回目になります。

京都では、2008年3月26日に京都リサーチパークのASTEMを会場にしてNPO法人「子どもサポートプロジェクト」が市立七条中学の生徒を中心におこなわれたのに続き2度目のことで、日本語によるスクールコンタクトは初めてになります。また、工業高校での企画運営は、全国で初めてのことです。

私が初めてこのプロジェクトを知ったのは、2007年の秋に、たまたま入会したある無線クラブの人から京都リサーチパークで企画されていれるアリススクールコンタクトの事前学習会に誘っていただいたのがきっかけで、興味を持つようになりました。それまでは、知らない世界という感覚でした。子どもたちと一緒になって学習するうちにワクワクして気づいた時には、お手伝いに加わっていました。

スクールコンタクトは2008年3月26日におこなわれることが決まり、夕方、会社を早く出て京都リサーチパークへ行き、当日のお手伝いをしました。メンバーは、ほとんどが大阪、兵庫など遠方からはるばる来ていただいてかつボランティアで運営されており、趣味の幅が広がりました。また、再び京都でやりたいという気持ちは常に持っていましたが、どうやってよいかわからないまま年月は過ぎていきました。

京都で、国民文化祭というイベントで、記念のアマチュア無線局を立ち上げてPR運用することになりました。自分は、自分にできる事をしたいということで、衛星通信を自分でやってみることにしました。パソコンのソフトで衛星の動きを見ながら手動でローテーターを動かして衛星通信をやっていくうちに、ローテーターを自動で動かしたいと思い、パソコンのソフト(CALSAT32 JR1HUO相田さん作)で制御するコントローラーを自作しました。途中で行き詰ってしまい、JN2AMD山内さんに協力を依頼してコントローラーを完成させました。JAMSATでARISSスクールコンタクト用のコントローラーが欲しいとのことで提供しました。

京都市青少年科学センターで毎年、11月に科学の祭典に地域無線クラブのJARL京都クラブの一員として小中学生にモールス符号を体験させるイベントに参加していくうちに年1回だけでなく、若い人にも科学技術に触れてもらう機会がもっとあればいいなと思っていました。

そんな中、昨年6月に母校である洛陽工業高等学校で「京から宇宙高校生」という新聞記事が目に付きました。ぜひARISSスクールコンタクトの提案をしようと思いつきました。

しかし、提案したら自分がたいへんなのではないかとか思って、ふん切りがつかず、夏が過ぎようとしていました。

和歌山大学宇宙教育研究所でのアリススクールコンタクトのニュースがあり、洛陽工業高校の宇宙教育という面で提携していることがわかり、提案へと傾きました。JARL京都クラブの会員で息子さんが洛陽工の高校生と聞いたことを思い出し、その会員の方へ話をすることにしました。たぶん話をしてもダメだろうな、と思っていましたが、なんと「やりましょう」という方向で進んでいきました。

提案するに当たり、夏の関西アマチュア無線フェスティバルのボランティア協力とかで仲良くなった関西アリスプロジェクトチームのJL3JRY屋田さんや、JH3BUM石原さんに協力をお願いすることにしました。

関西では20回の実績があり、ほとんどが、このチームが関わっているからです。

学校の教頭先生に手紙(メール)を書いて概要をお伝えしたのですが、正直、わかってもらえるものなのかわかりませんでした。ぜひ、直接会ってアプローチしたいということで、学校へ関西アリスプロジェクトチームの2人と出向いて説明することになりました。校長先生より理科の教諭である有本教諭を紹介され、このプロジェクトを担当頂くことになりました。

卒業して28年、自分がいたころの先生は、定年後、現在は非常勤講師で今も教壇に立たれています。無線クラブは、廃部されたとの情報でした。

相談していただいた結果、唐橋小学校との間でさまざまな教育活動で連携を図っておられるなかで、ARISSスクールコンタクトを体験してもらう方向で検討することになりました。具体案の提案文書などは、JI6DUE/3野原さんと共同で進めました。途中で野原さんがQRLになったため、ARISS申請から当日までの段取や連絡は、小生とJH3BUM石原さん、JL3JRY屋田さんなどの助言を頂きながら、進めました。

取り組む中では、関西アリスプロジェクトチームのサポートを受けるため、関西アリスの連絡網であるメーリングリストに小生も加えていただくことになりました。11月には、洛陽工業高校の文化祭(工展)に行き、(当時)洛陽工PTAのJF3LGC馬渕さんや次期PTA会長の方、無線の資格を持った先生などとアイボールさせて頂きました。そこで、連絡用として洛陽工アリス関係者用のメーリングリストを馬渕さんに作ってもらうことにしました。12月から正月休みにかけてフェイスブックの友達を検索していくうちに洛陽工のOBの数人、前回の京都アリススクールコンタクトを主催した人たちとコンタクトがとれて輪が広がりました。

年が明け、かねてより衛星通信の授業の提案があった件の授業日程が1月31日にきまり、JAMSATのほうで準備を進めました。授業は、教育大学からの講師からの提案で人工衛星へコントロール制御して衛星を操作するというご希望の授業でした。しかし1月31日の午前中には、対応する衛星がやってこないのと、コントロール制御そのものが一般のアマチュア無線ではできないことを説明しました。体験してもらうところとしてその時間帯にやってくる衛星のモールス符号を解読して衛星の状態を確認するという内容の授業にさせていただきました。その授業の後、打ち合わせを行いまして学校で準備いただくことなど説明をしました。その後、アリススクールコンタクトの申請書作成に取り掛かりました。フォーマットが英文であることや書いてもらう項目のうち、団体の名前や教育計画などが学校のほうで固まらないまま、時間が過ぎていきました。

2月になって国際宇宙ステーションのメインの無線機であるケンウッドのTM-D700が故障し、それ以前に使っていたエリクソン製のハンディー機を使うことになったそうです。2月10日に愛知県でスクールコンタクトがあり、受信状態を関西アリスメンバーで確認することになりました。受信状態は良好ということで、この時のスクールコンタクトは成功したそうです。

京都でおこなうアリススクールコンタクトをサポートする地域クラブを小生が所属するJARL京都クラブで取り組む運びとなり臨時の理事会で審議をしていただき我々の役割について確認を行い、クラブの総会で協力するとの決定を終えました。

京都アリスを計画中ということを、関西アリスのメーリングリストでも発表していたので、6月下旬にアリスのメンターである安田さんから12月から5月の間に、姫路と京都を予定したいとの情報が入ってきました。

学校の担当先生にメールを書き、申請書を仕上げていく方向になりました。色々なことがありましたが、関係者のおかげで7月25日にようやくariss@jarl.or.jpへ申請書をメールで送付できました。

8月に入り、滋賀県でおこなわれるスクールコンタクトのアンテナ設営の手伝いに行ってきました。いままで滋賀では、クラブ内で準備していましたが急ぎ準備することになったので関西アリスの機材を持ち込むことになりました。設営に行くのは、今回が初めてでした。その日は、猛暑日となった暑い日でした。8月の最終週に予定されていた実施日は延期になり、京都クラブでも見学の申し込みをしていましたが、残念ながらあきらめることになりました。

夏休みが終わり、学校のほうへ申請後のNASAへ対する学校へお願いする対応について説明に行くことにしました。メールでお知らせしていることも無線用語が多いので理解してもらっているかとか意思疎通が取れなくなってきているので会うことにしました。学校からは、時間厳守で人数も制限するよう要請があり、そのような対応としました。教頭先生が今年度から変わられていたので、初めての説明となったわけですが、こちらの提案内容をご理解いただけるよう努めました。提案内容は、過去の提案文章を取りまとめて、小生の責任において提出する文章としました。

10月に予定されている高槻のアリススクールコンタクトのアンテナ設営に行ってみることになりました。高槻アリスの当日については、京都クラブで見学の申し込みをしていましたが、これも、国際宇宙ステーションの都合により、延期となってしまいました。その後、9月25日に突然、メンターの安田さんからのメールが届き、12月9日の週に若田さんとできないか?とのメールを受けたので、やった〜と思って急ぎ学校へ電話を入れて、学校関係者に相談をしました。翌日、その日程は、期末試験中にもかかわらず、実施へと進んでいくことになりました。

 

提案文書にも記されていた3アマ以上をお持ちの教職員が学校に居られないか探していただいたところ、1アマを取得されている、京都ものづくりコースの教員の高橋さんという方を紹介されました。以前からうわさに聞いていたのですが小生は、今年の正月に50MHz帯でコンタクトしていました。コールサインも判明し直接連絡を取ることに成功しました。で、その方にコントロールオペレーターをお願いする運びになりました。10月23日に、学校へ訪問し、アンテナを上げる場所の下見と臨時社団局の申請に必要な書類を頂きました。(教育委員会からの推薦状、無線局開設同意書、高橋さんの無線従事者のコピー、無線局申請手数料4300円分の収入印紙)そこで、高橋さんと初めてお会いして下見に付き合ってくださいました。12月は、寒いので、当初予定していた講堂だと暖房が無く寒いということでミレニアムホールという大きな教室を紹介されました。屋上との距離なども考慮してそこが一番の場所と判断しました。

スクールコンタクトに使用するアンテナ、タワー等の設備は、関西で2セット分用意されていて、2か所の設営が終わっていて延期になったということで、設備が足らなくなりましたが、関西アリス関係者のご協力で、何とか機材が10月中に準備できるようになりました。

また臨時社団局免許申請についても書類がそろってきたので、小生が休暇を取れる日を優先して11月6日(水)に天満橋の近畿総通へ出向くということで連絡をしました。小生と石原氏の2名で出向し、当日の手続きは、15分程度で内容確認を頂き、早期に許可頂けるとの回答を得ました。関西でのアリススクールコンタクトについて延期が続いており、延期になると再免許手続きになり費用がさらに掛かるとの情報を受け、総通からの勧めで通常の3か月免許ではなく、5年の免許を頂くことにしました。運用が終われば、廃局の届けを出すように指示を受けました。

洛陽工の担当教諭からの情報で、11月8日(金)に、京都市立唐橋小学校で事前学習会がおこなわれるということの連絡を受けて、地域クラブの京都クラブにも募集をかけましたが参加はありませんでした。私と石原さんと唐橋小近くのJA3APL長野さんの3人で見学させていただくことになりました。駐車場は、ありませんということでしたので長野さん宅に停めさせていただくことにしました。

小学校に入ると、天体望遠鏡を準備している夫婦と出会いました。JO3OOP,OOQ藤原さん夫妻でした。他にも天文のかたが数人お見えになっていました。小学校の校長、教職員の方と初めてお会いし、歓迎を受けました。両校の先生に加えて若田さんと交信予定の児童21人と保護者、町の人、高校生数人が教室にあつまり、小学生21人と初対面となりました。ついにここまで来たのかということで、緊張してきました。

講演は、洛陽工業高校の担当教諭によりおこなわれました。その後、京都新聞の記者からの取材があり、小生らも取材に答えました。講演後は、グランドに出て天体観察会がおこなわれ、JO3OOP藤原さんが子どもたちに寄り添っている写真が11月14日の京都新聞夕刊のトップに掲載され、小生の名前と取材した記事が掲載されました。

学校との打ち合わせで10月上旬にメールで問い合わせをして都合を伺い、11月16日(土)にアンテナの設営をやることになりました。

アンテナ機材は、

12エレクロス八木X1:JL3JRY屋田さん

12エレクロス八木X1:JAMSATさん

スタック整合器、ケーブル:JL3JRY屋田さん

マスト、ベアリング:JH3BUM石原さん

アンテナタワー:JH3GXF安孫子さん

同軸50m:関西アリス

水平ローテーター:関西アリス

仰角ローテーター:関西アリス

などなど、関西中から取り寄せてもらいましたが、足らない部品などは、京都クラブのMLで流させていただきまして、いくらかは準備頂けて良かったと思います。

予備アンテナとして、QFHアンテナを当局が準備いたしました。

関西各地、京都から14人ほど集まってくれました。

JA3ATJ,JA3APL,JE3EVI,JA3UWB,JE3QBG,JA3HBF,JE3DBS,JP3HEU,JH3BUM,JA3KDJ,JH4DHX,JO3OOP,JH3TXF,JL3JRY,JM3DUR,JG3GNU

 手分けしてタワーやアンテナなどの機材を屋上へ運び、屋上で組立を始めました。屋上へ上がれた人、断念した人それぞれで作業は、順調に運びました。

2時間弱でほぼ、タワーにアンテナを立てて、SWRのチェックとローテーターのチェックが完了し、教室へ同軸の引き込みが終わりました。JG3GNU高橋先生と会場となる教室を見せてもらい、そこに設置している音響設備をJE3DBS蛭子さんらに見て頂き、スピーカー等の配置状況からハウリングの可能性の指摘があり、JE3RZT野添さんのシステムを持ち込むということで話が付きました。これは、ボランティア(無料)でさせてもらうと伝えました。そのあと、開催日に向けてやるべきことを高橋先生だけでなく有本教諭にも確認する必要があるのでお越しいただくよう依頼しました。

NASAへ出す、児童の質問のほうは、ほぼまとまっていることを聞かされました。2人で1問、11問として英訳中であると、お聞きしました。そんなやり方は今までないので22人いるのなら一人一問で再度作り直しいただくよう要望することになりました。

(質問リスト)

1 なぜ,宇宙飛行士になろうと思ったのですか?

2 宇宙飛行士になるための訓練で1番大変だったのは,どんな訓練ですか?

3 宇宙人がいるとしたら,どの星にいると思いますか?

4 コマンダーになるまでに,一番苦労したことは何ですか?

5 コマンダーに任命された時は どんな気持ちでしたか?

6 宇宙に行く時に 必ず持っていくものはありますか?

7 宇宙服を地球で着たらどのくらい重いのですか?

8 宇宙からはじめて 地球をみたときはどんな気持ちがしましたか?

9 宇宙から 400キロはなれた所から見る地球はどんな感じですか?

10 宇宙ステーションから星はどんなふうに見えるのですか?

11 宇宙ステーションからは地球と同じように星座が見えるのですか?

12 宇宙ステーションではどこでどうやって寝るのですか?

13 宇宙では よく眠れますか?

14 宇宙ステーションが地球をまわっていて気持ち悪くなることはありませんか?

15 今回の実験の中で,一番面白そうだと思う実験を教えて下さい。

16 宇宙いる時で 楽しいのは何をしているときですか?

17 宇宙にいるときと地球にいるときは,どちらが好きですか?

18 もし宇宙ステーションで自分やりたいことはどんなことですか?

19 いままでのミッションの中で一番大変だったのは,何ですか?

20 NASAのポスターで虫眼鏡を持って地球を見ているポーズはご自分で考えられたのですか?

21 若田さんは宇宙のどんなところがすごいと思いますか?

12月2日のリハーサル(練習会)は、会場となる予定の教室で本番を模擬するかたちでおこないました。2〜3回の練習ですぐに慣れた感じになりました。模擬宇宙飛行士(JL3JRY)を交えた練習でも6分10秒ぐらいで21問受け答え出来ていたのであとは、自分の質問をしっかり覚えること、大きな声で言うことなど、名前は下の名前だけでと指導し、準備はOKとなりました。

本番は、11月下旬に12月10日の予定と聞かされ、会社の休みを取ろうとしました、ところが正式に決まる12月4日には、メンターの安田さんから12月12日と決まったと連絡がありました。

すぐさま、学校への連絡と、関西アリスの主要メンバーと連絡を取りました。音響関係の3名と屋田さん、JAMSAT関係者へは石原さんから連絡を入れてもらいました。あとは、見学いただいた各局へ連絡をしていきました。当日の車の乗り入れや人数については前もって学校とは、全体の人数について確認して無線関係は20人ぐらいが最大と伺いました。当日の内容などは、決まっていないとのことでした。近畿総通陸上第三課の担当者より、当日使う周波数と開催日を押してほしいと問い合わせがあり、対応しました。監視車両を現地で活動する予定であることを伺いました。

本番の4日前に、学校の担当教諭からメールで当日の次第などをお送りいただき、内容を確認いたしましたところ、来賓のあいさつなどは、予定しないとの回答でした。当日の機材運搬のための車の乗入れについては、最小限にするように指示がありましたので、電話やメールで確認して直前まで調整をしまして学校の希望通りの台数で了解いただきました。

NASAとのお約束事項の一つのアリススクールコンタクトの前日までに準備状況をメンターの安田さんにメールするため、学校と連絡を取って緊急連絡先やアンテナの準備とオペレーターの名前を確認してメールをしました。緊急連絡先は、小生の携帯電話としました。

アリススクールコンタクトの当日になりました。朝からメンターの安田さんより、宇宙ステーションの軌道が上がったので計算ソフトのデーターを最新にするよう連絡がありました。すぐにJH3BUM石原さんに連絡し、CALSAT32のデーターを修正してもらうことになりました。その後、メールが無かったので12時すぎに家を出て学校へ車で向かいました。12時には、JE3RZT野添さんがもう着いたとのことでびっくりしました。13時に学校へ入る予定とのことで学校の一番奥のほうに車を停めました。駐車場所がよくわからないので会場の教室に行ったところ、会場設営が学校関係者で進められていました。その後、続々とスタッフの車がやってきました。機材を3階の教室まで担いで上がります。生徒の応援も頂きました。

音響設備の持込みと無線機、パソコンなど、セッティングが進められました。14時ごろに学校側と最終打ち合わせをするのに関西アリスのJL3JRY屋田さん、神戸のJG3QZN田中さんの到着を待つことにしました。14時過ぎに学校側(担当先生、教頭先生、高橋先生、他生徒)と無線スタッフの顔合わせと打ち合わせをおこないました。プロジェクターは、2セット準備され、1つには、衛星が近づいてくるのを映すことになりました。

もう一つには、宇宙飛行士の写真を写しました。「ARISSスクールコンタクト」という横断幕は、学校で染色してもらう予定でしたが滲んでしまったということで紙を貼り合わせて学校で作ったということでした。関西アリスメンバーからは、宇宙飛行士やシャトルの風船が天井から吊るされて宇宙イベントらしくなってきました。

高橋先生より、ISSでトラブルがあったらしいですけど、大丈夫でしょうか?と言われて少し気になっていましたが、時間は過ぎていきます。そうこうしているうちにオペレーターへの指導、無線機の操作(ドップラー効果により受信周波数調整を行っていただく)などは、屋田さんや石原さんなどから指導が始まりました。

学校からは放送部の3人が取材、ハイパーステージの3人の生徒が来ていましたので彼らにできることとしてタイムキーパーと児童への指導を手伝ってもらいました。

時間が過ぎていく中、私の携帯電話に総通の監視の方から連絡がありました。学校のほうに出向きたいとのことでした。前もって連絡を総通から受けていたので、監視車両から2名が降りてこられて対応を行いました。アンテナの設置状況や会場となる教室にも来ていただき、監視状況からしても問題はないでしょうが、引き続き監視活動を行っていただくとの回答を得ました。

それとは別に見慣れない電話の着信があり、リダイヤルするとメンターの安田さんからの電話でした。話によると、例のトラブルで中止か延期の連絡が直接あるかもしれないので緊急の電話に注意するようにということでした。私は携帯を握りしめて廊下に出ました。その情報は、近くを通りかかった数人の関係者に伝えておきましたが、現場では児童に不安を与えてはいけない、報道関係者へも伝えないということで、交信が終わるまでこの情報は伏せられました。学校によるプレゼンなどの講演のあと、屋田さんの進行で、今回の責任者である小生と京都府のアマチュア無線家を代表してJARL京都府支部長の岩本様にあいさつをさせて頂きました。私は携帯を握りしめながらもあと20分前になり、連絡はありません。事前の予行練習も模擬宇宙飛行士のユーモアな応答で、会場を沸かせていました。私のところへ屋田さんの入念なチェックが入り、仮に延期となった場合でも高橋先生にISSを呼び続けてもらうということになりました。高校生が協力してのカウントダウンのあと、運命の17時37分に〜2分後交信は、無事成功!感激のあと、私からは、「みなさんありがとう」と一言申し上げました。

安田さんに取り急ぎ電話をして報告しました。

取材は、主に児童が受けていましたが小生は、毎日新聞と読売新聞、NHK京都の記者から受けました。コンタクト成功後、洛陽工の校長先生、教頭先生、小学校の校長先生などと固い握手をしてくださりました。やって本当に良かったと思った瞬間でした。国際宇宙ステーションから若田さんが洛陽工業高校へ向けてツイッターでメッセージを

頂き、あらためて感激しました。

                     (レポート JM3DUR 島村隆久)